五千社を超える神社の森を巡る
縁あって平安期の『延喜式』に収載された式内社などの古社を中心に、全国で5000社超の神社を参拝し、鎮守の森を巡ってきました。
神社本庁包括の神社は現在約8万社とされ、これ以外の単立宗教法人の神社などを含めると、合わせて10万社超の神社があるとされます。
先日、創建百年を迎えた明治神宮が、造営当時に林学や造園学の頭脳を集めて、広大な森を育てたことに象徴される通り、神社にとって森は不可欠な要素ですが、一方で明治後期の合祀による神社の廃絶は10万社弱にも及んだとされ、その分だけ鎮守の森が失われました。南方熊楠が、植物学者の松村任三宛に「三十社四十社を一社にあつめ、悉く其神林を伐りたる所多く、又今も盛んに伐り尽し居り」と激烈な手紙をしたため、合祀反対運動を行ったことは有名です。
数だけ巡った体験による思考に過ぎませんが、「鎮守の森」を通して、「もり」とは何なのかを考えてみます。